日経平均は2月のコロナ急落前水準を回復

株価押し上げに3つの背景

  • 一時2万3400円台まで上昇、急落前の2月21日終値は2万3386円
  • 金融緩和が最大の貢献、今後は業績が焦点に-三井住友DS・吉川氏

(ブルームバーグ):日経平均株価は25日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を懸念して急落する前の水準を半年ぶりに上抜けた。グローバルの大型危機対策がリスク資産の下値を支える中、落ち込んだ景気がいずれ回復へ向かうとの期待が強まっている。

日経平均は午後に入って一時2万3400円台まで上昇し、2月21日終値の2万3386円を上回った。

同日は、イタリアや韓国など中国以外へも感染が広がりパンデミック懸念が強まって相場が急落した2月25日の前営業日にあたる。単純な水準論だけで言えば、株式市場はコロナ禍を帳消しにした格好となった。

8月に入って上値追いの展開に

三井住友DSアセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、「米10年債利回りは0.6%台とコロナ前の2%前後から大幅に下がっている。インフレ率が世界的に低い中、2%近辺の配当利回りがある株式は投資家には魅力的だ」と語る。

米連邦準備制度理事会(FRB)を中心とした金融緩和がコロナ前回復に最も大きく貢献しただけでなく、「経済活動再開とコロナを両立させた世界経済の底入れ、予想より早いワクチン開発」も株価を支えたとみる。

7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FRBは米経済を支援するためにあらゆる手段を活用するとあらためて表明。政策金利をゼロ付近で維持するとの見通しが長期化する中、社債買い入れなどの緊急融資プログラムも整備されている。

また、米バイオテクノロジー会社のモデルナなどのワクチン開発や治療薬開発が同時に進行し、経済の本格再開が想定より早くなるとの期待が重なっている。

一方で戻り基調を強めると高値警戒感が出やすい。

りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジストは、「FRBのコロナ対応は第二次世界大戦時などの際の『タブーなき戦時対応』と共通点がある」と指摘。第二次大戦時の米国株は刺激策と平時への期待感から上昇していたものの、戦後は8年間横ばい相場に終始したという。

「戦時から平時に戻ることより、刺激策が無くなったことによるマイナス効果のほうが大きかった」と当時を振り返り、株価がコロナ前に戻るとともに「天井感につながりやすい」ともみていた。

株価が高値圏を維持してきた中でバリュエーションの高止まり効果をもたらした低金利に変調もみられる。

三井住友DSアセットの吉川氏は「今後さらに株価を上げるには業績回復が焦点になる」と分析する。

当面は景気回復のペースを見極めるとともに、「業績が上方修正されていけばことし末から来年に少しずつ株価は上昇する可能性がある」とみる。特に「グローバル製造業の底打ち基調が確認できれば、日本株は米国に比べて出遅れを解消しそう」と言う。

参考サイト


金融庁

経済産業省

財務省