ドル・円は大幅続落、米の新型コロナ対策に失望

ドル・円相場が大幅に下落

東京外国為替市場ではドル・円相場が大幅に下落。新型コロナウイルスを巡るトランプ大統領の演説内容に失望が広がったほか、米国による欧州からの渡航停止で世界経済悪化への懸念が深まり、ドル売り・円買いが優勢となっている。円は主要通貨に対して全面高。

Bloomberg 2020年3月12日

  • ドル・円は午前11時30分現在、前日比1.2%安の103円34銭。朝方に付けた104円81銭から一時103円09銭まで急落
  • ユーロ・ドルは0.4%高の1ユーロ=1.1319ドル。対円では0.7%安の1ユーロ=116円96銭
  • 豪ドルは0.3%安の1豪ドル=0.6466ドル。対円では1.4%安の1豪ドル=66円82銭

市場関係者の見方

しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリスト

  • 新型コロナウイルス対策に関するトランプ大統領の演説は流動性供与や給与減税など想定された事実が出ただけで目玉はなかったと市場は受け止めたようだ
  • ドル・円のセリングクライマックスは週初の101円19銭できた感じ。きょうECBが恐らく利下げして、昨日の英国のように経済対策も出揃えば、少し市場も落ち着くだろう

三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)

  • 新型コロナウイルスの米欧での感染拡大に対する恐怖感が広がっており、リスク回避で株価が下げやすい中でドル・円も軟調。各国の金融緩和や経済対策より感染拡大がいつピークアウトするかが焦点
  • 中国や日本は山を越えたようだが米欧は拡大中という違いから、ドルと欧州通貨に下落圧力。豪ドルなど原油系、コモディティ系の通貨も厳しい
  • ただ、ECBの定例会合を控えた様子見もあり、下落のスピードも下げ幅も大きくはならないか。市場参加者はいるがポジションを大きく傾ける向きが少なく、ボラタイルな相場展開が続く

背景

  • トランプ米大統領、欧州から米国への全ての渡航を30日間停止
  • WHOが新型コロナ「パンデミック」宣言-トランプ氏国民向け演説へ
  • 新型コロナ、致死率は季節性インフルエンザの10倍-NIAID所長
  • イタリア、食料品と薬局除く全店舗を閉店へ-レストランやバーも
    • イタリア、新型コロナ対策に3兆円充当へ-死者3割増の827人
  • 英中銀が緊急利下げ、経済救うため必要な追加措置取るとカーニー総裁
    • スナク英財務相、新型コロナ対応で4兆円規模の経済対策を発表
  • 【米国株・国債・商品】ダウ弱気相場入り、原油大幅安ー「パンデミック」重し
  • 日経平均株価は一時5%余り下落。米株価指数先物も大幅安

トランプ大統領、欧州から米国への渡航を30日間大幅制限

  • 直近2週間に欧州26カ国に滞在歴ある外国人の入国を原則停止-政府
  • 「これは金融危機ではなく一時的な状況」だとトランプ大統領

トランプ米大統領は11日、新型コロナウイルス感染拡大への対応を巡る国民向け演説で、欧州から米国への渡航を向こう30日間大幅に制限すると表明した。

これはトランプ政権が打ち出した新型コロナ対策の中で最も広範囲な措置となる。渡航制限の対象には英国は含まれない。

トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室から行った演説で、欧州からの渡航制限は13日深夜から施行されると説明した。

大統領は「これは金融危機ではない。一時的な状況にすぎず、国家として、また世界全体としてわれわれは克服するだろう」と語った。

トランプ大統領は欧州連合(EU)が中国からの渡航を感染拡大の早い段階で制限しなかったことを批判する一方、早期に入国禁止に踏み切った自身の判断により米国内の感染者数は抑えられていると自賛した。

「EUは米国と同じ予防措置を取らず、中国など感染者が多い国からの渡航制限をしなかった」とし、米国内の新たな集団感染の多くは欧州からの渡航者が引き起こしたものだと非難した。

米国土安全保障省のウルフ長官代行は大統領の演説後に出した声明で、域内の移動の自由を定めた「シェンゲン協定」が適用される欧州26カ国に直近2週間に滞在歴がある外国人の大半の入国を停止すると説明した。

ただ、渡航制限は合法的永住者や、米国市民の近親者には適用されないとした。また欧州から帰国する米国市民は特定の空港でスクリーニングを受けることになるという。

 

参考サイト


金融庁

経済産業省

財務省