正午のドルは102円後半、米国株が一段安なら100円割れも

東京 9日 ロイター

– 正午のドル/円は、6日のニューヨーク市場午後5時時点(105.30/33円)に比べ、大幅にドル安/円高の102.65/67円。

ドル/円は、6日のニューヨーク市場終盤の水準から下方向にギャップを開けて104円後半で今朝のオセアニア市場の取引をスタートした。

午前8時ごろに103.52円まで下落し、いったん小幅に反発したが、米国株の先物が下げ幅を1000ドル以上に拡大したことや、原油先物が下げ止まらないことなどを受け、ドル売り/円買いが加速した。

「今夜の米国株式市場が大幅に下げることが見込まれ、(ドルの)買い戻しの勢いがつかなかった」(みずほ証券チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏)ことで、戻りがないまま、下げ幅を拡大する展開となった。.

ドルは11時前に102.13円まで下落、そのあとは、売りが売りを招く状況となり、一時101.55円と、2016年11月9日以来の安値をつけた

市場の目線は、心理的節目となる100円まで下がっており、「今日の米国株が再び大幅安となれば、(100円割れで)2桁のドル安も現実味を増す」(国内銀)との意見が聞かれる。

麻生太郎財務相

日経平均1200円安・ドル102円割れ、市場急変動 麻生財務相「神経質な動き」

週明け9日の東京市場では新型コロナウイルスの感染拡大を背景とする世界経済への先行き不安から急激な円高、株安が進行、ドル/円は一時101円台まで、日経平均株価も一時1200円を超す急落となった。

米長期金利の急速な低下も円高を加速、サウジアラビアが原油増産の姿勢を打ち出し、原油相場が急落したことも市場の混乱に拍車をかけた。国内の長期金利は一時マイナス0.2%と昨年10月10日以来の低水準となった。

原油相場はアジア時間で急落。
米原油先物は一時1バレル=27.95ドル付近まで下落した。

麻生太郎財務相は市場の動向について「神経質な動きがある」と指摘。
慎重に動向を見極めていく考えを示した。
為替介入の可能性については「コメントすることはない」と述べるにとどめた。

菅義偉官房長官も午前の会見で「市場動向を十分注視している」と語った。

市場関係者からは「株式は売られすぎの側面が強いが、こうしたセンチメントが強まると何が下値を支えるきっかけとなり得るか見いだしづらい」(大和証券チーフグローバルストラテジスト、壁谷洋和氏)との声が聞かれた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア投資ストラテジスト、荒井誠治氏は「原油価格の下落は産油国の財政に影響を与える。
この穴埋めに取り得る手段として考えられるのが、保有株式の売却だ」と指摘。

「原油価格の下落に伴い、今後オイルマネーを引き戻す動きに出るとなると、日本株は大きな打撃を受ける」との見方を示している。

円高進行については「政府・日銀は20カ国・地域(G20)の合意の範囲でドル買い/円売りのスムージング・オペレーション(相場の急激な変動を抑制する介入)を実施することができるとみている」(みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏)との指摘も出ている。

また、円債金利は日銀の利下げを織り込み始めているとの見方も出ている。

野村証券シニア金利ストラテジストの中島武信氏は「新型ウイルスの感染拡大が止まらなければ、10年債利回りは昨年9月に付けたマイナス0.295%を試しに行くと予想しているが、日銀が(マイナス金利の)深掘りを今回見送れば、利下げ織り込みの剥落で、多少金利は上昇するかもしれない」と指摘する。

参考サイト


金融庁

経済産業省

財務省