《経済指標》ドル・円が小反発、新型肺炎への懸念続くも目先の買い戻し

東京外国為替市場でドル・円相場の下げが一服。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けたリスク回避の流れが続いているが、短期的なポジション調整目的の買い戻しが出ているとの見方がある。

市場関係者の見方

バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジスト

新型ウイルスの感染拡大と経済への悪影響に終わりが見えたわけではないので、リスク回避の円高基調はまだ続く。ドル・円は上値が重く下方向を警戒する必要がある
きょうは株価や金利が戻していない中で小幅に反発したが、短期的な調整の範囲内ではないか
豪ドルは、中国との経済的な関係から売られやすい。加えて森林火災や利下げ観測も逆風に

三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)

新型ウイルス拡散度合いなどの関連ニュースが引き続き最大の注目材料。SARS当時とは異なり、今回は問題の収束後に世界経済の拡大基調が強まるか疑問が残る
豪ドルは対中輸出への打撃を材料に狙われやすいのに加え、中国市場が休場中なので人民元の代わりに売られている面も。英ポンドはEUとの交渉をめぐる不透明感と利下げ観測が重し

背景

新型コロナウイルスの感染による中国での死者数が100人を突破-感染者例も4515件に急増
米国務省、中国への渡航警戒レベル引き上げ-「渡航の再検討」に
日経平均株価は前日比219円安で午前取引を終了。米株先物と米10年債利回りはひとまず下げ止まり
中国や香港などアジア市場の多くは春節で休場

ECB、高度に緩和的な金融政策の副作用に引き続き警戒

欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は27日、「現時点のユーロ圏の経済活動とインフレの見通しは、ECBが政策パッケージを通じて実行している高度に緩和的な金融政策を正当化する」としながらも、それらの政策に伴う副作用の可能性に政策委員会は引き続き警戒していると語った。

メルシュ理事はルクセンブルクでのスピーチで、「資産価格は現在、非常に高い水準にある。資産価格が修正されるリスクが増しつつある」と発言。「価格修正は融資の裏付けとなる担保の価値を下げる直接的な影響に加え、信頼感低下に伴う間接的な影響を銀行に与え、経済活動全般を弱めることにつながる」と指摘した。

[東京 28日 ロイター] – 正午のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル高/円安の108.99/01円。

株安にもかかわらずドルが底堅かったのは、108円台で実需のドル買い意欲が強いことや、きょうから2日間の予定で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて「ドルショートを膨らますこともできない」(外国銀)ためだという。

さらに、株安でもドル/円が動意づかない理由として「現象面からみれば、新型肺炎の感染拡大を受けてマネーが株式市場(リスク資産)から債券市場(安全資産)に流れ込んでいるだけで、為替に影響するようなマネーフローは生じていない」(国内銀)との意見も出ていた。

米10年国債利回りUS10YT=RRは、前日一時1.5980%と10月10日以来3カ月半ぶりの低水準となった。現在も1.6029/6012%の気配と引き続き低下圧力にさらされていて、ドルにとっては弱材料になっている。

参考サイト


金融庁

経済産業省

財務省