過去最高のETF爆買い 日銀の止まらない爆買いは、市場を歪める

“日銀の暴走”に金融市場が不安を募らせている。

日銀は10月に入り、30日まで上場投資信託(ETF)を8688億円買った。

2010年の買い入れスタート以来、月間で過去最高の購入額だ。

「日銀はすでに30兆円近いETFを買っています。本来なら出口(株売却)を探る時期なのに、過去最大の買い入れを行うとは無謀としか言いようがありません。日銀は株を買うだけで、ほとんど売却していません。海外投資家の目には市場原理の働かない歪んだ市場と映るでしょう」(証券アナリスト

株を大量に購入した日銀は、数多くの企業で実質的な大株主となっている。

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストの直近推計(9月末)によると、半導体検査装置のアドバンテストは20.0%を保有する大株主だ。

16年7月末は9.8%だったので、この2年あまりで倍以上に増えたことになる。

ファーストリテイリングは同じく9.0%から17.9%、TDKは7.9%から16.7%だ。

「10月の購入分を加えると、保有比率はさらに増えているでしょう。ETF購入のメドは年間6兆円ですが、マーケットの動きによっては6兆円を超すかもしれません」(井出真吾氏)

日銀が10%以上を保有する企業は、東京ドーム、キッコーマン、ヤマハなど30社以上に上る。5%以上となると130社を超す。

「日銀は株を買うだけなので浮動株(市場に流通する株式)はどんどん減少します。こうした銘柄は全体のパイが減り、値動きは激しくなりがちです。日銀はギャンブル相場をつくり出しているといえます」(市場関係者)

日銀の止まらない爆買いは、市場を歪め続けている。

株価1カ月で2936円下落…外国人投資家に餌食にされる日銀

株価の下落が止まらない。

25日の日経平均終値は、前日比822円安の2万1268円と大幅に下落。

26日も前日比84円安と続落した。9月末の日経平均株価は2万4120円だった。この1カ月で2936円も下落している。

そんな中、負けの込んだギャンブラーのように、株を買いまくっているのが日銀だ。

驚くことに黒田日銀は、25日までの10月の18営業日すべてでETFを購入している。

総額は約8000億円だ。とくに直近は、5営業日連続で毎日715億円買っている。それでも株安は止まらない。

経済評論家の斎藤満氏が言う。

「投資家は株価が下がると日銀が買いを入れるのを分かっています。だから下がれば安値で買い、日銀の介入後、高値で売って儲けてきた。ただ、現状は日銀の買い支え程度では追いつかないくらい世界的な株安が進んでいる。日経平均の最近の下落は、外国人投資家が損する前に売り抜けた要因が大きい」

東証が発表した10月第3週(15~19日)の投資部門別株式売買状況によると、外国人投資家は2週連続で売り越している。

売越額は2120億円だ。

7月の金融政策決定会合で、日銀は金融緩和見直しに方針転換した。

実際、ETFの買い入れ(715億円)は、7月が3回、8月が2回と激減。

市場では「いよいよ出口を探し始めた」とささやかれた。

ところが、10月の株安を目の当たりにし、日銀はあっさりETF爆買いを再開した形である。

「これからも『株が下がれば日銀は買いますよ』と宣言しているようなものです。外国人投資家は日銀の介入を利用して、引き続き売り抜けを繰り返すはずです。日銀が買い支えをして、株価が維持されるならともかく、これほど下落してしまうのは問題です。今の下落局面で日銀が大規模なETF買いを続ければ、外国人投資家は売り抜けて儲かっても、日銀が買った株価は下がるわけですから、国民の財産が目減りしていくことになります」(斎藤満氏)

いよいよアベノミクスの終わりが始まった。