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「いざなみ景気」超えの可能性も? 景気動向指数と人々の景況感

   


10月6日に8月の景気動向指数が発表され、景気の現状を示すCI一致指数が前月差+1.9%ptと2カ月ぶりに改善しました。

2017年入り後は大きくジグザグしていますが、均してみれば明確な上昇基調にあり、統計の発表元である内閣府は基調判断を11カ月連続で「改善」としました。

これで足元までの景気拡張期間は2012年11月から起算して57カ月目となり、1965年から70年までに記録した「いざなぎ景気」に並び、戦後2番目の長さになりました。

なお、戦後最長の景気拡張期は2002年2月から2008年2月にかけての73カ月で「いざなみ景気」と呼ばれています。

その記録更新には2019年1月までの景気拡張が必要ですが、現時点では国内経済にこれといった不安要素がなく、海外から大きなショックが来ない限り、記録更新の可能性が高そうです。

まず景気動向指数とは、景気の現状把握および予測をするために複数の経済指標を合成した経済指標です。

景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があり、CIは景気変動の大きさや勢いを、DIは景気の各経済部門(「企業・家計」、「生産・雇用・消費」等)への波及度合いを測定するための指標です

CIとDIはそれぞれ景気の先行指数、一致指数、遅行指数の3つがあります。

それぞれの指数に採用されている経済指標は、先行指数が11、一致指数が9、遅行指数が9の合計29系列です。

先行指数には東証株価指数(TOPIX)、新規求人数、消費者マインド、中小企業の売上見通しなどが、一致指数には製造業生産・出荷、小売売上高、有効求人倍率などが、遅行指数には消費者物価、失業率、法人税収などが採用されています。

景気の拡張・後退の転換点を読み取るにはCI一致指数が最も重視されています。

CI一致指数が上昇(低下)しているときは拡張局面(後退局面)で、この波形は景気の転換点と概ね一致します。

ただし、単月では悪天候や地政学リスクなど景気循環に関係のない要因によってCI一致指数が低下することもあります。

そこで内閣府(※専門家で構成される景気動向指数研究会もここに含む)は統計上のノイズを取り除くために、3カ月平均と7カ月平均も重視することで景気変動を正確に読み取ることに努めています。

CI一致指数をみるだけで景気の転換点を捉えるのは適当ではありません。
CIの弱点は、たとえば製造業生産が大幅に加速した場合など、一部の指標によって全体の数値が押し上げられることがあるからです。

そこでDIの出番です。DIはそうした一部の指標だけが強さを示したときには(さほど)上昇しませんから、局所的な景気変動を除去できます。

このようにDIとCIを同時に判断すれば、公平で正確な景気判断ができるというわけです。

こうした定量的基準から判断すると、足もとの日本経済は景気拡張局面にあると客観的に言えます。

ただし一方で「戦後最長の景気拡張でも景気回復は実感できない」といった声があるのも事実です。

そうした実感とのズレが生じるのは、景気拡張・後退の判断が、基本的に景気の「勢い」よりも「方向感」に重点を置いていることが深く関係していると思われます。

景気動向指数を基にした景気判断は、指数が僅かでも上向きの状態にあれば、人々の肌で感じられない程度の改善であっても景気拡張と判定するからです。

 

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