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ネット証券が株式市場に与えた衝撃

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証券会社は、対面売買を主体とする会社(対面型証券)と、インターネットを通じての取引を主体とする会社(ネット証券)の2つに大別できる。

特に近年は、ネット証券の発展がめざましい。

今回は、株式市場の誕生・歴史に触れ、その後のネット証券の特徴や証券業界の今後について解説する。

■株式市場の歴史

世界で初めて、株式会社が設立されたのは1602年にオランダで設立された貿易会社「東インド会社」と言われている。

一方で、日本で最初に株式会社が設立されたのは1873年のことだ。

第一国立銀行という民間銀行だった。

その5年後の1878年には大阪と東京に証券取引所が開設された。

「東インド会社」が設立された当時、貿易は、長期間かつ大規模な航海のため、船の建設費用から船員の人件費にいたるまで、多額の資金が必要とされていた。

株式市場は多額の資金調達を可能にし、出資者には配当金や値上がり益など利益の獲得を可能にする。

株式市場は歴史的に見ると、所有と経営を分離し、経済を大きく発展させていく原動力となった。

■ネット証券が普及した理由

証券会社とは、有価証券(株・債券など)を売買したいお客様(法人・個人)と証券取引所の間に入って、取り次ぎ業務を行う会社だ。

投資家から株式を売買する為の注文を受け、証券取引所へ株式の売買する手続きを仲介するイメージが強いだろう。

証券会社の中でもネット証券が急速に存在感を増している。ネット証券が誕生・普及した背景には「インターネットの普及」「手数料の自由化」「株券の電子化」の3つがあると言われている。

ひとつひとつ確認していこう。

1 インターネットの普及

1990年代以降、インターネットが急速に普及。パソコンは「一家に一台」どころか今や「一人に一台」が当たり前になりつつある。

若者に至っては、スマートフォン1台で多くのことを完結できるので、上記を通り過ぎ、パソコンを持たない人も多い。

株式売買は、必ずしも対面や電話で売買する必要はない。

むしろ、どこにいてもパソコンやスマートフォンで取引できた方が、スピーディかつ効率がいい。

2 手数料の自由化

金融ビッグバンの一つの柱として、1999年に株式売買委託手数料の自由化が実施された。

それまで手数料は各社一律の手数料だったわけだ。

ネット証券は、対面型証券に比べて、営業コストを低く抑えることが出来るので、結果的に売買手数料も低く抑えることが出来る。

3 株券の電子化

従来、株券は紙で発行され、株主は自分で株券を保有していたが、2009年1月から電子化された。電子化の影響で新たに、対面型証券会社以外にネット証券会社で口座を開設するケースが多かった。

■ネット証券のメリット・デメリット

ネット証券の最大の魅力は、売買手数料が安いということだ。対面型証券とネット証券では、売買手数料の差が20倍以上出ることもある。

さらにネット証券は対面型証券に比べて、売買手数料無料の投資信託(ノーロード投資信託)のラインナップが充実していることが多いので、投資信託から投資を始めたい人には最適な環境となっている。

また、ネット証券にはデメリットも存在する。

基本的には担当者が存在せず、専門家からのアドバイスは受けることができない。自分自身の判断で売買を決断することとなる。

したがって、投資する企業の成長性や財務安定性はもちろん、世界経済の情勢や地政学リスクなどについても一定の知識や自発的な学習が必要である。

■証券業界の今後

諸説はあるものの、一般的には、対面型証券は60代や70代といったリタイアメント層に強く、ネット証券は30代や40代といった資産形成層(マス層)に強いと言われている。

そのため、対面型証券がネット売買に力を入れる、またはネット証券が対面売買に力を入れる、といった相互の得意分野へ進出し合うことも多くなってきた。

また、一部の対面型証券は、マス層へのリーチを縮小し、限られた富裕層に経営資源を集中する(よりプライベート・バンキング化する)傾向にある。

富裕層になればなるほど、資産運用のみならず、本業・事業承継・税金の悩みなどで証券会社が付加価値を提供できる範囲が広がっていく。

「広く浅く」ではなく「狭く深く」サービスを展開するわけだ。

これは証券業界の収益モデルが転換期にあることが影響している。

今まで、特に対面型の証券会社では、顧客の売買回転率を上げることによって、収益を得ている証券会社もある。

言わばブローカレッジ・フィー(仲介手数料)を積み上げる収益モデルだ。

証券会社は今、預かり資産を拡大し、その預かり資産に対して何らかの手数料を取るというストック・フィー収益モデルに変化することが求められている。

 

どちらにせよ、インターネットの更なる普及・発展が予想される以上、より多くの人にアプローチするには、インターネットの有効活用が必須だろう。特に「広く浅く」ビジネスを展開する方針を固めた証券会社が、売買自体までインターネット上で完結するどうかは別にして、告知、集客、情報提供、比較検討などをインターネットで行う流れは、ますます強まることが予想される。

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